2008.06.29(日): 
  
 
コロンバス美術館のコレクション
  
	
	
オハイオ州、エリー湖畔のクリーブランドから南におりたところのコロンバスという都市にある コロンバス美術館。少なくとも日本では、ほとんど知られていないに近いと思います。
  
近現代絵画のコレクションは、ファーディナンド・ハウォルド という人と、ハワード・シラク&ハベット夫妻 による寄贈ものが主。
  
ハウォルド氏コレクションの、マティス『 サフラン色の薔薇と鳥篭のインコ 』は、ボルティモア美術館 『 室内,花とインコ 』のテーブルの上部分を描いたもので、その黄色のテーブルクロスが鮮やかで美しい作品です。いや、2点とも、すばらしい!
  
一方、ハワード・シラク&ハベット夫妻のコレクションもすごいです。わずか13年の間で、78点もの優れもの揃いのコレクションを形成したそうで、ハベット夫人自身「気が狂ったように集めた」と言っているのも解るような気がします。
  
・ ヴラマンク 『 麦畑 』 
  濃い黄色の荒々しい絵。「なにがゴッホだ!」とでも言いたげな作品
  
・ キルヒナー 『 フェーマルン島の塔の一室(エルナのいる自画像)』 
  ニューヨーク近代美術館の『 ストリート、ベルリン 』のように、尖がった感の作品が多いキルヒナーですが、この作品ではモデルのエルナのおっぱいも尖がってますです w
  
・ マティス 『 鰻,エトルタの海岸 』 
  先日、エトルタの断崖シリーズ3部作のことで取り上げた「ウナギ」です
  
・ ノルデ 『 強風に立つひまわり 』 
  ノルデがナチに追われていた時に描かれた悲しい絵
  
・ モネ 『 しだれ柳 』 
  ジヴェルニーの蓮池に生えた柳ですが、ちょっと、おどろおどろしさがあります。この光の無い作品で、モネは何をか言わんとしているのかもしれません
 
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2008.06.25(水): 
  
 
クリーブランド美術館
  
	
	
クリーブランド美術館 のページをアップしました。
  
	
	
   
  
大サイズ/購入 オールポスターズ
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ルノワール 『 ロメーヌ・ラコー 』 1864
  
ルノワールのかなり初期の作品ですが、その後の有名な、多くのしっかりした少女の肖像画と変わりありません。
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だいだい、各画家、それぞれの画風を確立する前の作品は、妙に古臭かったり、全く別人の作品のようなものが多いです。セザンヌなんか、そうです。
  
ということは、デビュー時から、ルノアールは既に独自の画風を打ち立てていたのですね。 
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2008.06.25(水): 
  
 
連作の妙
  
	
	
クリーブランド美術館のゴッホの『 大きなプラタナスの木 』は、フィリップス・コレクションにある『 道路工夫 』1889 と、ほぼ同じ絵です。ゴッホは戸外とアトリエの中とで同じ絵を2枚描くことが多かったので、こういう作品が残っています。
  
昼間は通りの情景を、後でアトリエに戻ってからは、工事夫の方を強調したい気になって、題名も変えたのかもしれません。
  
一方、マティスには、そういった全く同じ構図の複数作品は少ないのですが、1920年のエトルタの断崖シリーズは特殊です。
  
『 大きな断崖,魚 』   1920 ボルティモア美術館 
『 2匹のえい(大きな断崖)』 1920 ノートン美術館 
『 鰻,エトルタの海岸 』 1920 コロンバス美術館
  
の3作品は、同じ海岸の断崖の構図で、浜辺に打ち上げられた魚がそれぞれ違うのです。また、その鰻の大きいこと!(こりゃ、マズそうなウナギだ w)
  
エトルタという場所は、クールベやモネが題材として取り上げたところであって、この作品は、それらを意識した上で、マティス独自の色彩と装飾を描いたもの、と図録などには解説してあります。しかし、この3パターンの魚は一体何なんでしょう ???
  
空と海と浜辺が、それぞれ違って描かれているので、それに合わせるための魚なのかもしれません。 自らの宿題にしておきます。
 
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2008.06.24(火): 
  
 
フィリップス・コレクション
  
	
	
ワシントンDCの  フィリップス・コレクション をアップしました。
  
ルノワールの『 舟遊びの昼食 』1880-81 が特に有名ですが、美術評論家であり、MoMAやワシントン・ナショナル・ギャラリーの作品収集にも関わっていた ダンカン・フィリップス氏によるコレクションです。それぞれの作品が、一般的なものよりも一歩深い意味をもっているように思えます。
  
セザンヌの『 ローヴの庭 』1906頃 は、晩年の作。クレーにつながるような作品であり、最後にセザンヌが何を考えていたかが解るような内容なのでしょう。
  
・ ヴュイヤール 『 セーラー服の子供と子守 』 1895 
・ ボナール 『 棕櫚の木 』 1926 
・ カンディンスキー 『 連続 』 1935
  
なども、各者の代表作とは異なる別の魅力を放っています。
  
ところで、3年前に森美術館でフィリップス・コレクション展がありましたが、あの時の図録はオシャレで良かったですねぇ。死ぬまで持っていたい、というような感の作りの本で、図録のグッドデザイン賞なんかがあったら大賞ものだろう、と思ったぐらいです。
 
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2008.06.22(日): 
  
 
ニューオリンズ美術館
  
	
	
ジャズの街、ニューオリンズ市内の巨大なシティパークの中に位置する ニューオリンズ美術館 をアップしました。
" New Orleans Museum of Art " なので、略称は "NOMA"です。講談社 野間記念館 を連想してしまいます w 。
  
紹介されることは少ない美術館だと思いますが、近代絵画を広く所蔵すると共に、現役画家も含めて現代絵画の収集も熱心のようです。数十年経つと評判になるかもしれません。
  
さて、ニューオリンズというと、ドガが4年ほど暮らしたことで有名です。この、ニューオリンズ美術館から少し離れたところに ドガの家 というのがあります。
  
『 エステル・ミュッソンの肖像 』 1872 
は、特にこれといった作品では無いのですが、この南部の暑いニューオリンズの土地を感じさせる作品でしょう。
 
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2008.06.20(金): 
  
 
ヒューストン美術館のページをアップ
  
	
 
	
	
 
NASAのヒューストンの ヒューストン美術館 をアップしました。
  
当館所蔵の コローの『 冥界からエウリュディケを救うオルフェウス 』 1861 
は、近代絵画には珍しいギリシャ神話ものです。
  
近代絵画は、マネがヌードをビーナスから人に引きずり降ろしたことに始まり、以降、絵の中での寓話性を積極的に排除することで進んできましたので、神話もの・歴史ものの作品が無いのは、当然といえばそうですが、残念な気もします。
  
何も、パラソルを持ったアフロディーテが居ても、キュビズムなヘラクレスの戦いの絵があっても良いんじゃないの? と思うのですが、常にフレームや色彩などが主題であるため、歴史の勉強には役に立ちませんね。
  
コローは近代絵画の境目の画家ですので、ギリシャ神話を扱ったのは、それに対しての変なこだわりも無かったからでしょう。
  
この『 冥界からエウリュディケを救うオルフェウス 』は、琴の名手オルフェウスが、死んでしまった妻のエウリュディケを冥界から連れ戻すというギリシャ神話の一シーンです。死の世界から呼び戻すためには、決して振り返ってはいけないというルールがあったのですが、最後にオルフェウスは守れなかったのですね。それでエウリュディケは二度と生き返れない、という結末です。
  
個人的には、冥界というと、もっと暗いトンネルの中のようなイメージがあるのですが、この絵は、日が落ちるのが遅い夏の緯度の高い国の夜の森の中という感じです。ジゼルとかのバレエの舞台みたいです。
  
といったストーリーを思いながらこの絵を見ると、もうすぐ森を抜け出せそうだ、助かるぞ! という直前のハラハラ感を味うことができて楽しめると思います。
 
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2008.06.17(火): 
  
 
ワズウォース美術館
  
	
	
アメリカのコネチカット州にある、1842年創立のアメリカ最古の美術館である ワズウォース美術館 をアップしました。館名は、創立者の名前から来ています。
  
アメリカ最古ということから、ハドソンリバー系の作品ばっかりかと思いきや(確かにそれは豊富ですが)、近現代のフランス・アメリカ絵画も数多く所属しています。
  
なかなか、味のあるコレクションだと思います。
 
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2008.06.11(水): 
  
 
諏訪北澤美術館所蔵作品を追加
  
	
	
諏訪北澤美術館 の日本画の所蔵作品を追加しました。東山魁夷の作品も結構、お持ちです。
  
杉山寧の作品は、めずらしい漢字の題を付けられているので、「PCにはそんな漢字はありません」ということで、資料屋泣かせです。
  
日本画は、そんなことがあって苦労します。「手書き」で探しても無い漢字って、時々あります。が、このサイトを利用して題名を表記したいニーズのある時の方には便利でしょう。
 
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2008.06.04(水): 
  
 
オキーフの作品を掲載
  
	
	
喫茶店の壁とかホテルのロビーとかで見ることが多いと思うのですが、なぜか、日本の美術館には東京国立近代美術館や愛知県美術館ぐらいにしか所蔵されていない オキーフ をアップしました。
  
小倉遊亀もそうですが、女性の描く花は、大胆で伸びやかですね。男性の描くそれは、比較すると、ルドンでさえ、思いっきりさが足りない感があります。
 
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2008.06.04(水): 
  
 
シカゴ美術館所蔵の作品一覧をアップ
  
	
	
シカゴ美術館 のページをアップしました。
  
ココもそうですけど、アメリカの美術館のホームページって、ホント良く出来てます。絵画グリーティングカードとか、日本でも提供されるようになって欲しいです。広くいつでも名画に接することができる環境にあることが、絵画ファンが増えて、結果的には美術館へ足を運ぶ人が多くなる事につながると思うんですよね。。
 
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2008.05.21(水): 
  
 
山種美術館の『 猫 』
  
	
	
来年秋に 山種美術館 が広尾の地に引っ越すそうです。
  
現在の靖国神社そばに引っ越される前は、茅場町の山種証券ビル内にあったのですが、その時初めて 竹内栖鳳 の『 班猫 』に会いました。あの見返り美人の猫が、妙に「私の縄張りよ」とでも言いたげだったことが印象に強くて、ビルに長く居着いているような感じがしたものです。
  
それで、現在のビルで再会した時は、ちょっと居心地が良くなさそうな風でした。
  
新しいビルに移って、猫は良い居場所を見つけるでしょうか。
まだまだ先ですが、そんなことも楽しみな移転です。
 
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2008.05.19(月): 
  
 
小林古径の『 清姫 』
  
	
	
小林古径 というと、3週間ほど前に「美の巨人」にて、『 清姫 』が取り上げられていました。これもすばらしい作品です。
  
ただ、個人的に、絵画も含めて芸術全般において、道成寺関連ものでの決定打はまだ知らない、というのが正直なところです(もっとも、当然、私自身の知識の浅さにもよります)。
  
村上華岳の『 日高河清姫図 』にしても情念の表現としてはパンチが弱く、鏑木清方の『 道成寺道行 』(おそらく『 春宵怨 』も?)にせよ、日本画ではきれいにまとまりすぎていて、背筋が「ゾわっ」としそうな感じまでは来ないんです。
  
歌舞伎の娘道成寺などは、きものの早変わりやリズミカルな音楽の面白さも加わって全体の完成度は高いと思うのですが、華やかさの方が強いです。
  
情念の凄さの表現というと、夢枕獏&岡野玲子の「陰陽師」が、どろどろの凄みがありますね。でも、ちょっとSFX映画を観ているようなキモさが先に立ちがちかなと、道成寺に当てはまるかは判りません。
  
中世の仏教思想の理解や、暗い山道のシチュエーション、スピルバーグ作品の「激突」のような追いかけられる恐怖感などが総合的に組み合わさって表現されないと、この恨みの表現は生きてこないのでは? と、そんな奥の深い深い題材のように思えます。
 
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2008.05.12(月): 
  
 
洋画家 宮本三郎の作品
  
	
	
最初に観た作品の先入観が強くて、その後、何度シグナルを送られても、どうしても対話できない画家の作品というものがある。
  
この、宮本三郎 の作品も、そんなパターンの一つだ。 
最初に東京近美で戦争画を観たのがまずかった。その後、笠間の日動美術館で自画像を観たと思う。それだけで「暗い絵のおっさん」といったイメージになってしまったのだ。
  
やっと、赤を基調にした匂い立つ彩り鮮やかな等身大の女性像に会って、初めてこの人の作品のエキスが、ぎゅーっと体の中に吸収されていくのを感じた。「コツンと来た」というところだろうか。
  
そういう出会いがあるのも、絵の楽しみの一つである。
 
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2008.05.11(日): 
  
 
ロスコのページをアップ
  
	
	
新たに マーク・ロスコ のページをアップしました。
  
川村記念美術館のシーグラム壁画のとおり、ロスコ本人でのレストランの間は実現しなかったわけですが、それに倣った人のデザインにより、インテリアに成功している例は、世の中に、きっといくつかあるのでしょう。
  
そういうところで、静かな食事をしてみたいものです。
 
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2008.05.07(水): 
  
 
海外美術館所蔵情報
  
	
	
海外美術館所蔵情報を始めることにしました。
トップページ に入り口を用意しました。
  
手初めに N.Y.の MoMA を設定しましたが、まだ、構成や内容・表記等について構想段階です。数が膨大であること、現代芸術の範囲をどこまでにするかを決めていかなければならないこと、ネットならではの機能であるべきこと等々、少しずつ内容を充実させると共に、構成を変更しながら固めていく予定です。
 
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2008.04.09(水): 
  
 
北野恒富
  
	
	
北野恒富 の作品を追加(増量)しました。
  
とても実力のある人だと思うのですが、京都画壇のためか判りませんが、取り上げられることが少ないように感じます。
  
横山大観の『 夜桜 』と共に、ローマ日本美術展に出展された
『 戯れ 』1929 (S04) 東京国立近代美術館 もすばらしいですが、
  
特に、『 護花鈴 』 1916 (T05)頃(個人蔵?)は、淀君の、高貴さと傲慢さと野望と恨みと不安とをブレンドして一枚の絵の中で表現した、良いぃ~~作品だと思いまいす。
  
あと、次の Amazonくるくるウィジェットを追加しました。 
上村松園 
ドンゲン
  
ドンゲンのは、やはり設定可能な書籍が少なくて、画集は洋書です。それでも6冊には足りなくて、藤田嗣治ものっけました。エコール・ド・パリ系とかの本自体はたくさんあるんですが、そういった意味で、この「くるくる」ちゃん、まだ未完成の機能ですね。充実していくには、まだ時間を要していくのでしょう。
  
書籍での画像が作品一覧とマッチすると、サイトとして、とても良くなるんですがね。
 
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2008.03.30(日): 
  
 
はじめまして (ブログ開始時のご挨拶)
  
	
	
 
はじめまして。
  
ここは、印象の大きかった画家の作品と、それらを所蔵する美術館の情報を追っかけてまとめたサイト = 【近・現代絵画】魚眼レンズ用のブログです。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~fisheye/
  
このサイト、どういう内容にしていくべきか? また、継続していく意義などを、あれこれ考え込んだまま、長いこと、そう、4年もの間休館にしておりました。
  
その間、そのうち忘れ去られてしまうかも? という想いはあったのですが、数年経ても、検索エンジンの上位に出ていたり、時々、問い合わせや励ましのメールをいただいたりしましたので、今回、まだまだ、そこそこ存在意義あるかと、再開することにした次第です。
  
同時にウェッブを取り巻く環境も大きく変わってきましたので、いろいろな情報が同時に取れるように仕組みを変え、また、デザインも極力シンプルなものにしてリニューアルしました。
  
中身の情報については、随時、少しずつ追加していきます。また、絵画に関連した小説を読むことは、その絵の背景を深く知る上で楽しみの一つです。絵画の専門書では無いものを取り上げるようにしていきます。
  
では、よろしくお願いします。
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